みなさんこんにちは、アシスタントのヨッシーです。今日はブレグジットで起こりうるイギリス旅行での影響について書いてみたいと思います。
ブレグジット(Brexit)について
ブレグジットとはみなさん知っての通り、イギリスのEU離脱問題です。
先日行われたイギリスの総選挙でブレグジットを推し進める保守党が過半数を大きく上回る大勝利をおさめました。そのため、2020年1月末にイギリスのEU離脱決まりそうな状況となりました。
そのことを受けて、今回はブレグジットが実際に行われて場合に、イギリスの旅行でどのような影響が出るのかを、旅行者目線で考えてみました。
結論から言えば、2020年2月から2020年までの年末までは移行期間があるため、特段の影響はありません。
しかしその後の影響を含めてあり得る影響をまとめてみました。
ブレグジットでの出入国の影響
まず考えられるブレグジットの影響のは、イギリスの出入国審査における影響です。ブレグジット前のイギリスではEU加盟国の国民はイギリス人と同様のレーンでほとんど審査なしに、出入国審査をしています。
しかしブレグジットによりイギリスがEUから離脱するとその区別がなくなる可能性があります。
この点は、もともと日本人はイギリス人とEU加盟国の国民以外として入国審査を受けるため、これ自体はイギリスでの日本人の出入国審査になんら影響を与えません。
また、ヒースロー空港などでは現在では自動ゲートを日本人でも使えます。そのため、入国の際にEU加盟国の国民と同じレーンを使うことになったとしても、自動ゲートのある空港での入国審査の影響は限定的だと思います。
(留学などで、イギリスを訪れる際には、有人の入国審査を受ける必要があります。)
もっともロンドンシティー空港など、自動ゲートが設置されていない空港の入国審査では、イギリス人以外の人が全員同じレーンに並ぶため、かなり混雑すると思われます。
ブレグジットの飛行機の運行への影響
現在のところ、ブレグジットはEUとの合意により行われることが予定されています。そのため合意なき離脱とは異なりある程度の準備が進められています。(2020年末までは移行期間がある。)
合意なき離脱が取り沙汰されていた時は、ヨーロッパの航空会社の運行許可が無効になるとして、離脱後のヨーロッパの航空会社の運行が懸念されていました。
しかし現時点では、ブリティッシュエアウェイズなどでは、EU離脱の後の来年2月からも通常通りの運行がなされることがアナウンスされています。
ブリティッシュエアウェイズHP、ブレグジットについて(英文)
そのため、いきなり飛行機のEUとイギリスの路線が運行を停止するという恐れはないと思われます。
このことはおそらく2020年末までが、その恐れがないと思います。もしあるとすれば、2020年末までにイギリスとEUの間に何らの合意もなされず、かつ移行期間が延期されない場合です。
ブレグジットのユーロスターの運行の影響
ユーロスターはロンドンとパリ、ブリュッセル、アムステルダムをそれぞれ繋いでいる国際列車です。
ユーロスターの運行会社はイギリスの会社であるEurostar international limited 社が運行をしています。そのため、飛行機同様ユーロスターのフランスなどでの運行許可がなく、運行されないという危険が考えられます。
しかしこれは合意なき離脱の場合のシナリオであり、おそらく現状ではなんらかの策が講じられると思われます。
実際、今のところイギリス政府からは、ユーロスターはブレグジット後も通常通りの運行が行われるとのアナウンスがなされています。
またユーロスターの運行会社からも、ブレグジット後も通常通りの運行が行われることが予定されているとのアナウンスがおなされています。
おそらくユーロスター自体はブレグジット後も通常通りの運行がなされると思います。
もっとも注意しなければならないのが、フランスの税関のストライキです。2019年の3月の終わり頃に、合意なき離脱のブレグジットが懸念された時期に、ユーロスターのフランスの出発駅のパリ北駅で税関の職員がストライキを起こし、ユーロスターが多く運休したことがあります。
下記でも述べますが、ブレグジットにより、イギリスとEUの間で税関が復活することが予想されます。そのためユーロスターのパリ北駅やロンドンセントパンクラス、ブリュッセル南駅での関税の検査が必要になります。
そのため、もし以降期間内に何らの合意がなされなければ、このようなブレグジットに起因するストライキが起こる可能性はあります。
(この時は、合意なき離脱により税関検査の複雑化の恐れがストライキの1つの要因とされています。そのため今回とはある意味状況が違うと言えます。)
どちらにしても、当面の間がユーロスターを利用する際には、ある程度の時間の余裕を持つ方が良いと思います。とりわけ移行期間内に何らの合意もなされない場合には、とりわけ移行期間終了まじかには、上記の危険があることを念頭に置いておくほうが良いと思います。
ブレグジットの税関への影響
ブレグジットが行われるとイギリスとEU加盟国との間で税関検査が再開されることが予想されます。(しかし再開は2020年末の移行期間終了以降)
そのため、まずありうるのはイギリスの免税手続きが変更になることです。
今までイギリスの免税手続きは原則イギリスを含めEU加盟国の最終出発国で行う必要がありました。
しかしブレグジット後は、イギリスの免税手続きはイギリス出国時に行うことになります。また他のEU加盟国で購入した商品の免税手続きはイギリスではできなくなります。
また上述のようにブレグジット後は、ユーロスターを含めてEU加盟国からイギリス入国するとき、また逆にイギリスからEU加盟国に入国する時にはそれぞれ税関を通る必要が出てきます。
そのためもしかするとユーロスターのチェックイン締め切り時間が現在の30分から、60分前ぐらいまでになる可能性もあります。
その他のブレグジットの影響
最後に挙げられるブレグジットの影響は、イギリスの通信会社のEU内でのデータローミングの有料化です。
これはイギリスの通信会社の携帯がEU内でのデータローミングを行う場合に有料になることです。このことについてはイギリス政府からも注意喚起がなされています。
ただこのことはイギリス人やイギリスに滞在する外国人のみならず、イギリスを旅行する日本人にも大きな影響を与えるものです。
最近ではSIMカードを使った海外でのデータローミングが、海外に行く際には人気です。特にその中でも、ヨーロッパへの旅行ではthree というイギリスの会社のSIMカードが人気があります。
このSIMカードはイギリス以外のヨーロッパのほとんどの国でも、同じSIMカード1枚で通信ができるものです。
しかし今回のブレグジットの影響で、イギリスの通信会社の無料でのデータローミングが終了することから、もしかすると今までのthreeのSIMカードがイギリス以外のヨーロッパで追加料金なしで、使用できないということがあり得ると思います。
イギリスにあるThreeの店舗
また今後はthreeのSIMカードはイギリス版とイギリス以外のEU加盟国版というように、SIMカードの種類が分かれる可能性もあります。
threeのSIMカードはヨーロッパ旅行でかなり便利であるものの、今後は利便性が低下するかもしれません。
(追記、2020年2月以降もthreeのSIMカードは通常通り使用できていることから、以降期間内は問題ないと思われる。)
ブレグジットで今後注視すべきこと
ブレグジットはおそらく2020年1月末には、実行されると思います。
しかし2020年いっぱいのまでの移行期間が少なくとも設けられるようです。そのため上記で述べたものでも、いきなり変更にならないものが多いと思います。
とりあえずは、ブレグジットが予定されている2020年の移行期間終了の前後ではユーロスターの利用は上記で述べたストライキ等の混乱が生じうることを考慮すべきだと思います。
また注視しなければならないことは、イギリスでの免税手続きとデータローミングの変更がどこで行われるかです。
さらにここからは、少し政治の話になりますが、北アイルランドとアイルランドの間に国境を設けるのか、イギリスとアイルランドの2国間協定がどうなるのかです。
仮に北アイルランドとアイルランドの間に国境ないしは関税が設置されると、北アイルランド紛争の再燃がありえます。そうなるとロンドンなどイギリス本島の治安の悪化の懸念があります。
実際に北アイルランドとアイルランドの間に国境や税関を設置することは現実的ではありません。そのためそれほど可能性としては高くないとも思いますが。
またブレグジット後は、EU残留を望むスコットランドの独立運動は再燃すると思われます。
まとめ
イギリスを旅行する上での、ブレグジットの影響として今後注意すべきことは、2020年末前後のユーロスターのストライキによる運休、イギリスの免税手続きの変更、データローミングのEU内での中止の3つだと思います。
また今後イギリス政府から、ブレグジット後の影響による色々な変更点が発表されると思います。
なおこれらの情報は2019年末時点のものであり、変更される場合や予想に反する場合があります。
そのため現実にブレグジットが起こった時点で異なる可能性があることについて、ご了承ください。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
ヨッシー
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